■アスピリン Aspirin 
10/05/2005


私は頭痛持ちで、ひと月に何度か頭痛薬「バファリン」を服用することがあります。私にとって頭痛はまあ、日常なので、今回取り立てて婦人科のお医者さんに既往症として報告するつもりはありませんでした。

しかし、ある術前再診中、「最近なにか薬とか飲んでますか?」と質問され、「全然ないですよ!まあよく飲む薬っていっても、せいぜいバファリンぐらいですかねぇ。」と冗談交じりに答えたことから、頭痛持ちであることがお医者さんに知られることになりました。

「バファリン?どのぐらいの頻度で?」とまた質問。 
「結構常用してて、一ヶ月に何回かは飲みますねぇ。」と私。

そして、
「あれは手術前に飲んでると都合よくないんですよねー。だから、念のため、手術前1ヶ月ぐらい前からバファリンは止めといてください。」と術前のバファリン服用禁止令発令。

正直、この禁止令は、日ごろバファリンに頼ってきた頭痛持ちにはきついものでした。手術が終わるまで、頭が痛くても肩・首がバリバリにこっても、その痛みに耐えなきゃいけないんですから。

なぜ、手術前にバファリンをたくさん服用しているといけないのでしょうか?


実は、バファリンはアスピリン系の頭痛薬。解熱、鎮痛以外にも、血液が固まるのを抑制するという効果もあるらしいのです。

「アスピリン?」

よく聞く名前ですよね。アメリカ映画とか見ているとセリフによく出てきますし。
昔よくテレビで風邪薬や頭痛薬のコマーシャルを見ていると、「〜は非ピリン系だから安心」ってPRしていた気がします。たしか、ピリン系の薬は薬害(薬疹)が出る副作用があるとかないとか。
アスピリンはこの非ピリン系の代表的な薬で、今から150年ぐらい前にフランスで発見され、1897年にバイエル社(ドイツの製薬会社)が合成に成功、商品化(1899年)し、それ以来、このアスピリンは現在80カ国以上で販売されているそうです。もちろん商品名「アスピリン」は日本でも売られています。

私が常用している「バファリン」にもこのアスピリンが入っているのです。バファリンの箱を見てみると、成分のところに「アセチルサリチル酸」と表示されています。「アセチルサリチル酸」。これがアスピリンです。

このバファリンの成分であるアスピリンの薬効に、実は「血が固まるのを抑制する効果」というのがあるらしく、この薬効がお医者さんが術前バファリン服用禁止令を出した直接的理由だったようです。

手術前約1カ月間数回起こった頭痛の痛みにバファリン抜きで耐えるのはきつかったですけど、手術中に出血が止まらなくなるよりマシですよね。(実際、あとで薬剤師さんに聞いたところ、最低2週間か10日ぐらい前からバファリン飲まないようにしているなら大丈夫かも?って言っていました。) ですから、手術が決まっている方は、バファリン等の服用を控えるようにしてくださいね。

手術での止血時にはうれしくない薬効を発揮するアスピリンですが、このアスピリン、今はこの特性を生かし、血栓抑制剤として脚光を浴びているみたいです。厚生省も2000年にアスピリンを抗血小板薬と認めたそうですし。古い薬ですし、一粒あたりの単価とかも安そうで、病院とかは点数低くてうれしくないのかも? でも、こういう薬が狭心症や脳こうそくなどの再発を予防する薬として生まれ変わることはいいことです。

ところで、このアスピリン、人工閉経して女性ホルモン分泌がなくなった女性の動脈硬化予防などへの薬効はないのかしら? 専門的なこととか「さっぱり...」ですが、もしそういう効果とかがあったら、「頭痛持ちの私には一石二鳥なのに...」と、一瞬都合のいいことを考えてしまいました。


バイエル薬品 アスピリン・ワールド http://www.aspirin-japan.com/

10/5/2005記

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