家族歴? 卵巣癌だった 私の伯母(おば)さん



卵巣癌の危険因子に家族歴というのがあります。

私は、入院前伯母(母の姉)宅へ遊びに行きました。そのとき何気に、「なんか、卵巣に腫瘍があるらしく、すごく不安。」と話していたら、伯母は、突然、「私も卵巣腫瘍やったんやで。」と告白。 学生当時、伯母が婦人科の病気で入院してて、たしか院内感染もして6ヶ月ぐらい入院していたということは知っていたけど、それが私と同じ病気、卵巣腫瘍だったなんて、今の今まで知りませんでした。てっきり子宮の病気だと思っていました。

伯母の傷口を見せてもらったら、みぞおちからザクッと恥骨まで、縦一直腺(多少迂回地域もアリ)に傷口が走っていました。 すごい傷でした。「ええ!!こんなに切るの?!」 入院前の私は、はじめチョット縮みあがりました。

でも、伯母の話を聞いてゆくうち、伯母の腫瘍は、私の腫瘍の規模と明らかに違うことに気づきました。

伯母はあくまでも「腫瘍やってん。」といい、あくまでも、「悪性だった、癌だった。」とは言いません(本人はちがうと思っている)。でも、じっくり話を聞いていると、「腹水がものすごく溜まっててお腹が妊婦さんみたいだった。」とか、「リンパ節まで摘出して、ちょっとだけ抗がん剤治療もやった。」、「万が一のことも覚悟しておいてくださいといわれたことがある。」、「同じ病棟で卵巣腫瘍だった人何人もいたけど、生き残ったのは私ともう一人だけだった...。」、等、なんか話の内容から察するに良性や境界悪性っぽくありません。本当に私の腫瘍の規模と違う...。伯母はリンパ節郭清もしているし。

入院中、家族歴の話が出たので、この伯母の話を主治医に話していたら、その内容だけで「それはああだったとかカルテを見てないのに何も言えないけど、 今聞いた内容だけをザッと聞くと、伯母さんは悪性でいらしたのかな?とは思う。」と言っていました。 「伯母さんが手術した頃は、今から30年近く前
※1 のことなので、今のようにインフォームドコンセントの概念も浸透しておらず、本人は癌のことや詳しい腫瘍についての情報を知らされていなかったのではないか?」とも主治医は言っていました。うーん、確かに。昔なら有り得ます。本人は認めませんけど、伯母はきっと進行癌だったんだとおもいます。 ※1正確には25年前です

その伯母、49歳で卵巣腫瘍(たぶん卵巣癌)になり、現在74歳。もともとよく笑う人で、今もよく笑い、パッキパキ。いつも元気な伯母です。子宮と両側卵巣を取った彼女の現在の自慢は、自分の現在の骨密度値が同い年の人よりも高いこと。卵巣を失った分、それだけ食生活に気をつけてきたということが彼女の自慢なのです。今まで再発もなく74過ぎても元気にしている彼女のその姿は、手術前に恐怖で縮みあがっていた私に一筋の光をくれました(感謝感謝)。

卵巣癌の危険因子には家族歴(遺伝的要素)というのがあり、一親等(親)、二親等(妹、姉)に卵巣癌の人がいる人は卵巣癌に罹患する率が、そうじゃない人と比べて2〜3倍リスクが上がると指摘されています。とはいえ、伯母は母の姉なので、私にとっては三親等。二親等ではありません。そして、私の腫瘍は悪性腫瘍ではなく、悪性度の低い腫瘍、境界悪性腫瘍。

はたして、三親等、境界悪性腫瘍にもこの卵巣癌の危険因子(多少確率は下がるかもしれないけど...)は適用されるのでしょうか?二親等でもなく悪性腫瘍でもないということは、一見この卵巣癌の危険因子との関係はなさそうですが、でも、ちょっと因果関係がありそうな気もしたりします。実際はどうなんでしょう?

でも、こういったリスクファクターを聞くと、私のことよりむしろ、うちの母やいとこ(伯母さんの娘)のことが心配になってきます。
10/1/2005記


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