漿液(しょうえき)性嚢胞性腫瘍、境界悪性
Serous tumors of borderline malignancy


漿液性腫瘍は、卵巣表層上皮が卵管の上皮組織への分化を示す腫瘍で、単房性のものが多い(粘液性腫瘍は多房性が多い)。

漿液性腫瘍の40〜50%は良性、約1/3が悪性(がん)、残りの20〜30%が境界悪性腫瘍とされている。30〜40代に好発し、腹膜や大網への播種が30〜40%ほどあるとされている(非浸潤性の播種がほとんど(83%)、でも、ときに浸潤性の播種もある)。T期の予後は良好だが、U期以上の症例では長期経過した後の再発死亡例が稀にあるとのこと。

境界悪性腫瘍の腹膜播種について

漿液性境界悪性腫瘍では腹膜や大網への播種状の増殖巣を伴うことがあり、その予後は浸潤性か非浸潤性かによって変わってくるのでその見極めがとても大切とのこと。

<非浸潤性の腹膜播種> 予後は良好。90%以上の10年生存率。
<浸潤性の腹膜播種>   予後は、長い経過で予後不良になる場合が多い。


引用・参考文献 卵巣腫瘍病理アトラス 石倉浩、手島伸一 編 文光堂 (2004)  
産婦人科研修の必修知識2004 (社)日本産科婦人科学会 (2004)
新女性医学大系36巻 中山書店(1999)                 

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